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非常に仔細に検討された内容です。この解釈が正しい、間違っているという事については、私は何も申し上げません。しかし非常に興味深く読ませて貰ったのは事実です。(99/09/08)
ガイア最終回を見終えて、それはそれはいろいろディープに考えました。
この物語はいったいなんだったのだろう。
テーマとしている事はわかりました。でも、よく考えないといまいち、その背景に横
たわっている事が見えてこない。いえ、そういうよりも、見え隠れしているのにうま
くごまかされている?そんな感じでした。
それを考えて、書きとめたのがこれです。
さて、第1話「光をつかめ」で、人類はまるで怪獣の襲来を予測していたかのように、
そのための対抗措置を披露してくれました。(シグのことです)それから我夢はガイ
アになり、シグの一員として戦いをはじめ‥ですから、シリーズのはじめの頃、人類
云々に対しての問題提議は藤宮が言い張っているだけで、「君はいったい何を根拠に
そんなこといってるんだい?単なる偏見?意地っ張り?環境保護団体の人?それとも
ただのストーカー?」という感じでした。
その、根拠がようやく明らかになったのと、地球防衛の目的がどういうものだったの
かがやっとわかったのが「アグル誕生」でした。
クリシスの警告
「近未来、地球と人類に破滅をもたらす破滅招来体が襲いくる」
藤宮の質問
「破滅招来体ってなんだ?異常気象?天変地異?」
クリシス
「N0.地球に破滅をもたらすもの」
そして、その回避方法
「削除:人類」
これ見る限りでは「人類が削除されれば地球だけは助かる」という意味にとれるので
すが、「このままでは地球も人類も確実に滅びる!?」というのは、だからといって、
人類が自分を自分で削除するわけにはいかないから、結果として滅びるという意味で
すよね。最悪なのは人類には滅びるほかに選択肢はないらしい。と、いうことです。
では、なぜ人類は滅びなくてはいけないのか?
●人類を滅ぼす事を目的に、何かがどこかからかやって来て、地球をも破壊してしま
うから。
(これは、だから人類がいるばっかりに、地球が滅びるという言い方も出来ますね)
この時点で我夢達の地球では、地球外生命体に対しての認知は語られていないようで
したが、クリシスがそう警告した以上、言葉尻をとらえても、またその可能性を考え
ても、まったくないとは言えない‥という意味でです。(外宇宙にむけてボイジャー
も打ち上げてるわけだし)
そして、身の回りに起こり得る事の大きな可能性として
●人類自身が環境破壊、戦争etcなどにより、地球諸共自滅するから。
‥と、いう考え方も当然あがったと思います。人類にはそういう心当たりもあったわ
けですから。
要するに自分のせいにするか、他者のせいのするかということなのですが、理由はこ
のようにふたつあったというわけです。
ガード、シグは設立の理由からすると、そのどちらかによる破滅であっても、それに
対抗できるように設立されたもの。それは、地球の防衛強化をはかる中、稲森博士が
ガードの客員研究員として、地球環境改善プランを提示したりしていた事でも推測さ
れるのですが、ワームホールから怪獣が出現した事によって、そのプランは退けられ
てしまいました。(ガム追放/稲森博士のプランの日付け参照)
この時点で人類は、自らの地球に対する愚かな行為を顧みる事をやめ、ただ、目の前
に現われた敵を倒す事のみを優先してしまった。
物語の時間差で明らかになるのが前後してしまったという事なのですが、これが人類
の直面した本当の問題だったわけです。「宇宙怪獣大進撃」で語られた事のように、
宇宙の破壊者になる、その崖っぷちに立たされることになるとも知らずに戦いをはじ
めてしまった。しかし、その力が目の前の敵には及ばない事で我夢が望んだ力。 人
類はガイアという希望の光を手に入れた事で、破滅の後押しをしてしまったともいえ
る‥後から思えば、そんなはじまりだったのですね。
そうまでして巧妙につくられた物語における「破滅招来体」はなんだったのか?
ですから、簡単に言ってしまえば、地球を襲った宇宙の知的生命体(ゾグやゼブブ)
や差し向けられた怪獣がそれです。でも、人類が本当の意味で、地球で生きていく意
志を体現できなければ、人類自身がそうであるとも言えるのです。ですから、最終回
で一度出した結論は、その先の時代に至るまで問われてくことなので、どちらとも言
い切れないのが本当です。それが答えだと思います。
では、破滅招来体と呼ばれていたゾグやゼブブ、そして、その主人の本当の目的はな
んだったのでしょう。破滅天使がラスボスだとは誰にもわからない事です。ですが、
あの戦いの後、それらはもうやってこなっかったようなのです。その真意は‥
注目すべきは稲森博士のお告げです。彼女は危機的状況を打破できる(かもしれない)
方法を藤宮に教えてくれます。そして、「地球はひとりぼっちじゃない。広大な宇宙
とつながっている」と、言って消えていきました。あの稲森博士はやはり、前に登場
したのと同じ稲森ゴーストです。でも、前のモノと違うのは、あれこそが「あるじ」
の真意だということです。
なぜなら、ガイアには神様的要素(と、私が勝手にいっていること)がちりばめられ
ていた。と、私は理解しているからなのです。そのへんの事をお話します。
(話の回は前後しますが、ストーリーの中からその根拠となり得る箇所をあげていき
ます。)
藤宮はクリシスのバグに「廃虚に立つアグル」のイメージを見せられて、アグルは
「地球を守る為に、人類を破滅に導く」そのために来たのだと、自分はそのために選
ばれたと思い込んでしまいました。(アグル誕生)
しかし、それを決定的に思い込む前に、彼は人類と地球を救いたい一心で、仲間から
孤立してもなお「地球の心を知る研究」に没頭していました。
地球の光は、藤宮のそれまでの「人類も地球も守りたい」という心の呼びかけに応え
てやって来たのだと思うのです。が、その、一瞬ギリギリのところで、何者かにより
(?)藤宮は破滅思考、人間の負に魅入られる心(性質)により深く取込まれてしまっ
たんですね。これは、このシリーズの後半を考えると、何者かによって人類に課せら
れた試練だったのかもしれません。が、とにかく、アグルが出現してしまったわけで。
だから、それを受けてガイアも出現したのだと思います。これは、アグルの光もガイ
アの光も、それぞれ象徴されているものはあるかもしれませんが、同じ地球の光です。
ですから「光は使いようによって良くも悪くもなる」という、ある意味、物事の2元
性を言っているのだと思いました。
2元性という事に関しては、まさに我夢と藤宮にそれが象徴されています。
人間の破滅や絶望の心に捕われやすく、それ故に闘争本能ばかりが強くなりがちな性
質が藤宮(アグル)に。でも、それを乗り越え進化(成長)しようとする、命あるも
の(人)の心の中にある「希望の光」は我夢(ガイア)に。もちろん、我夢と藤宮そ
れぞれの中にも2元性は内包されているのですが(我夢VS我夢参照)、テーマ的に
もそのどちらかが強く出た形を、ふたりは負わされていると思われました。
しかし、なぜ負に魅入られたのが藤宮だったかという事を考えてみると‥
それは、藤宮がクリシスの開発者だったからだと思うのです。アルケミースターズが
集った目的は、本来宇宙に別の知的生命体を求めるためでした。(宇宙怪獣大進撃)
ですから、クリシスも本来は宇宙進出の目的の為に開発されたと推測されます。
これは、ガイアの後にティガ、ダイナの世界が控えている事を考えると、クリシスの
開発が成功した事で、人類は宇宙時代の第一歩を踏み出した事になります。ただ、こ
こで考えたいのはその当時の藤宮の年齢です。「ファイナルシンク、GO!」の時点
で彼は18歳。そのコンセプトが持ち上がったのは、おそらくもっと若い頃でしょう。
思春期もまだ脱していないような人間的にも未発達な少年が、その頭脳をもって宇宙
時代への幕開けを夢や好奇心だけで押し進めてしまう。ですがこれは、人類の姿とも
重ね合わせる事ができないでしょうか。
アルケミースターズは、ある意味で進化した人間(ニュータイプ)です。天才によく
いわれるひらめきや直感力。ガイアの世界の中では、これらに秀でているという事は、
通常の人間の五感を越えた力「第六感」を兼ね備えていると理解しても構わないと思
います。藤宮がクリシスの開発者であるということは、アルケミースターズの中でも
また彼が特に優秀だったと考えられないでしょうか?また、我夢も特にそれが抜きに
出ている人物のようでした。(46億年の亡霊/未来のセリフ参照)
真のニュータイプだからこそ、宇宙生命体としての「地球意志」とコンタクトをとれ
た。と、考えられます。
しかし、ニュータイプといえど、成長する生き物(人間)である事には変わりはない
はずです。ですから、頭脳はずば抜けて優秀だけれど、人間的にはまだ何もできあっ
がってはいない。
これは、文明の物質面だけをとれば宇宙に出る事も可能であるが、その精神面におい
ては争いが絶えず、自分達の住む惑星の事すらも思いやれない、宇宙視野で物事を考
えるなどまだとてもできない人類‥それと、同じと言えます。(子供に凶器を持たせ
て遊びに出すのと同じと言ってもいいですね)
アルケミースターズ(進化した人間)の誕生は、偶然や突然変異によるものだったか
もしれません。しかし、生まれた以上は、それは人類の進化の兆しと受け止めなけれ
ばならないでしょう。
ですから、ゼブブの言葉があながち嘘でもないと感じるのです。「そんなものに宇宙
に出て来られたら、宇宙に暮らす他の生命体達にとってはたまらない驚異だ!」それ
は正論です。
しかし、そんな正論をかざして、攻撃をしてくるのなら、はじめから破滅天使がくれ
ばいい。でも、それではお話しにならない。…でも、ガイアではこの「お話しになら
ない」ところにこそ意味があったと思うのです。
「石の翼」を考えてみます。その事については何も語られず終わってしまいましたが、
翼の形をしたあの石は、希望を捨てなかったコウキ君を守って、パズスの攻撃を跳ね
返す光を放ちました。コウキ君は感じました。「石の翼は本当にどこかの宇宙船の翼
だったのかもしれない」
これについてはまったくの憶測なんですが、なぜ翼を強調するのか?
私は、これは「翼を持つ何者か」の存在を予測させていたと思うのです。普通、翼を
持つもの者というのは「天使」と連想される事が多いと思います。(悪魔サタンにも
翼はありますが、サタンは天使が神を裏切ったものです。堕天使といいますね)それ
で、ガイアの世界の中に神様的な存在を言及してしまうのは、あまりに乱暴なのです
が、天使を連想する事で、霊的により神に近い何者かの存在を考え付きました。それ
と、同一の者かどうかはあやしいところですが、「我夢VS我夢」でクラウスの後ろ
に現われた人型は、手を翼のようにはばたかせていました。クラウスが魔法陣のよう
なもので相手を召還し、自らを捧げたという事があったうえで「人類を進化させる、
遥かなる星の英知」という言葉をいうところをみると、それはただの宇宙人ではなく、
霊的な要素を含む何かが絡んでいるという見方は、間違いではないと思うのです。た
だクラウスはちょっとはずれを引いてしまったのかもしれませんが。(はばたかせて
いたのは、翼ではなく手でしたから)
そうこうするうちに、「いなご」や「強い天使」がやってきたのです。
これは聖書「啓示」の部分で、神による最後の審判の時にみ使いの吹くラッパととも
に現れたのと同じモノです。そしてラッパを吹き終わった後に、また天では戦いが起
きます。サタンとミカエル達との戦いなのですが、このサタンを聖書では「大いなる
龍」と表現しています。(聖書もいろいろあるので、もしかしたら表現が微妙に違う
ものもあるかもしれませんが)
「XIG壊滅」を考えてみます。ゼブブが一番こだわっているのは、人類の進化が早
すぎるということです。この回の冒頭、藤宮がラーメンのなるとを食べますが、あの
「なると」には大変な意味があります。もともと、渦巻き模様には「宇宙」をあらわ
す意味もあるのですが、この場合のなるとの渦巻きには「進化」の意味もあると考え
ています。(見ていた時は、ギャグな描写に気をとられて、このすごく大事なこれを
見逃してしまったのですが。)
生きてるものには命の限りがあります。でも、太古の昔から種としての進化の情報は、
遺伝子によって脈々と受け継がれてきています。遺伝子自体が意思を持ち、生物の身
体を器として使っているなんて説もあるくらいです。進化というのは、生物がその環
境に適応するように形や能力を変化(発展)させていく事でもありますが、宗教的な
言い方をしても、人は魂としての学びを輪廻を繰り返しながら得てゆき、その霊的な
格はより高い次元へ上昇をつづけるもの(らしい)なのです。だから進化を形にあら
わすと、上昇する「らせん」なのです。藤宮のラーメンのなるとは人類の進化を言っ
ています。‥。彼、食べちゃいましたけどね。あれは、人類は宇宙における進化を自
ら止めた(止めている)という‥表現なんでしょう。たぶん。
ガイアにおいて、神様的な要素を前提に考えたとき、忘れてはいけないのがギリシャ
神話です。「ガイア」というのは、ギリシャ神話の創世記の部分に出てくる神様の名
前です。
『カオス(混沌)の中から“胸の広い女神”ガイア(大地)が生まれた。〜中略〜ガ
イアからウラノス(天空)と、ポントス(海)が生まれ〜』
空好きの我夢と海がスキな藤宮‥。まさにガイアの子。
そして、アグルの名前の由来も‥なにか、どこかのネットで読んだのですが(‥どこ
で読んだか思い出せない。でも、制作サイドの人の話しだったハズ。)アグルの名前
は、「アグレッシブとか、アルグル(またはアルゴル/アラビア語)を合わせた」と
かなんとか‥。このアルゴルというのは、星座のペルセウス座で、勇士ペルセウスが
退治して、その手に持っている女怪メドゥサの頭の部分になっているところの星の名
前です。これも、ギリシャ神話に由来してるんですんね。記憶違いだったらこれは忘
れなきゃいけませんが。
ゼブブはモキアンの中で、バックに馬頭星雲を背負っています。
馬頭星雲はオリオン座のみつ星、アルニタクのすぐ下に見える暗黒星雲なんですね。
これは単純に星図の位置を分かりやすくしただけで、どうもゼブブに関しては「オリ
オン座」に意味があるらしいと思いました。これにまつわる神話です。(本から抜粋)
『狩人オリオンは、強い事を自慢したため神の怒りに触れ、大地の神ガイアは一匹の
さそりをつかわし、オリオンを刺し殺した。』
さて、ここでゼブブの手の形を見てみましょう。サソリみたいなんですね。(聖書の
啓示にもサソリはでてきますが、それは前後を読むとちょっと違うかもしれませんの
で、おいておきます)‥と、いうことは、ゼブブはガイアが遣わしたサソリ。この場
合「怒った神」はガイアをも生んだ宇宙の根源的存在(もしくはガイアを生んだカオ
スを司る神)を指すのだとしたら(ちょっとこの辺、不確かなんですが)オリオン殺
しについてはガイアは間接的な立場ですからサソリのあるじは「怒った神様」である
と言ってもいいでしょう。横たわる少女‥最後に吸い込まれていった惑星‥あれは地
球ではなかったですか?ゼブブと藤宮の会話の前後を考えるとあの娘は「地球」だと
思うのです。サソリはガイア、ひいてはあるじの使いですから、オリオンは、この場
合人類‥ってことですね。
〜これについては、まだ資料が見つからなくて何とも言えないのですが、ガイアとア
グルが横たわっている砂漠のシーンで、奥に見える神殿(モスク?)の廃虚らしきも
のが、ガイアを奉った神殿だったりすると「ガッチャ〜」By梶尾 なんですが。そ
んなものがあるかどうかも今の時点では不明です。〜
ゼブブ達の目的は(言葉を信じるなら)「彼女」を救う事です。
ですが、もし「彼女」がやはり「地球」だとするのなら、地球は例えそれが悪性のウィ
ルスであったとしても、人類を地球の生き物として受け入れ、そのために自らは死の
淵に立ちながらも運命にまかせ‥だからこそ、ただ静かに横たわっているのではない
でしょうか。ガイアとアグルの光を受け取ったふたりの地球の子供が、生きる希望、
意志を見いだす事を願って。
最終回です。
破滅天使の力は地球の光のパワーと明らかに同一のモノです。ガイアとアグルのライ
フゲージをフルに回復できるのが、何よりの証拠です。宇宙においては同じ力を持つ
もの。同じ何かに属するものと、解釈しています。
ですが、その力は結局吸い取られ、あの窮地において我夢と藤宮はただの人間になっ
てしまいます。ですが、彼らは諦めませんでした。「アグルの光はもう自分の中には
ない」と確信しながらも、「ウルトラマンになれなければ自分はこんなにも無力なの
か」と思いしらされながらも。彼らと、その仲間達は「でも‥!」つきあがる衝動を
止めませんでした。「あきらめない」「なにができる?」「人間として」「地球に生
きるものとして」
藤宮は一度「信じていたものに裏切られた」ことに傷付き、姿を消しました。彼が、
信じていたもの。それは「自分自身」だったんじゃないでしょうか。彼は、アグルの
力は自分自身が調査を続け、またそれによって導き出された考えや、沸き上がった心
に対して、地球が与えてくれた(裏づけをしてくれた)ものだと信じて疑いませんで
した。しかし、それは何者かによってそう促されたからこその事だったと、あの時に
悟ります。
光を間違った使い方をした事もショックだったかもしれませんが、それよりもなによ
りも、自分の信念や行動が自分自身によるものではなかったと、そのことで根底から
すべてを覆されてしまったのがショックだったと思うのです。(あのタカぴーな立ち
振るまいから察しても)また、それから自分の中にも破滅にむかう心が存在する事に
気付いて、果ては入水自殺までも試みたこともありましたね。(本人は無意識で、未
遂ですが)(アグル復活)
再び姿を現わすようになった藤宮は、我夢との関わりあいの中でだんだん自分を取り
戻していき、人類をもう一度(まだ少しは疑念を抱きつつも)信じてみようとまで言
えるように立ち直りました。そうして、臨んだあのバトル。
そんな藤宮の心の経過(成長)を受けて現れたのが、他でもない稲森ゴーストです。
私が確信したのはここです。あるじに率いられたゼブブや破滅天使は地球人類の進化
を見定める者です。もし、自分がその立場だったら、早すぎる進化の兆しをみせた地
球人類にどのように対処すると
思います?
私だったら、人の心には絶望と希望、光と闇のような2元性が内包されてますから、
その両方に極限的状況を与えて、どう反応するかを試すと思います。2元性は人間に
とってはどうすることもできない究極のカルマですが、それはどちらかを取り去るの
ではなく、どうバランスをどうとるかが問題だからです。
人類の罪や思いあがりを、我夢と藤宮は「銀色の眼のイザク」で認識しました。見せ
方としては、弱かったかも知れませんが、アルテスタイガーという絶滅動物の事がきっ
かけで、この戦いに関わった人達はその辺の事を言及できないまでも、うっすらと理
解したのだと思います。一般の人達にも、たぶんKCBが何かある度に報道特番を組
んでいる様でしたので、問題提議はなされていたと思います。
心に巣食う闇、それを理解し受け入れながらも、希望抱く事や進化する事をやめずに、
より高い次元を目指す。これは、とても難しいことですが、我夢と藤宮が互いを受け
入れ協力しあえるようになった事で、それを体現してくれたといっていいでしょう。
我夢と藤宮は人類の象徴(代表)として課せられ、問われた事の正しいの答えを、成
長とともに出していくことができました。(無意識だとは思いますが)
だからこそ、プロノーンカラモスに稲森博士はあらわれ、はじめて自分の意志でガイ
アになったあの場所でふたりは、生きるもの達の力で再び変身したのです。あれは、
地球の光ではありません。生きるものの心の光です。なぜなら、それがまた、地球を
ほんとうに生かしていくからです。
ラストバトルは、みんなで力を合わせりゃ、ざっとこんなもんさ!という意味ですね。
人類は形として「破滅」を叩きふせる必要がありますから。(ドラマだし)(最終回
だし)
ガムと藤宮のエピローグは、結局それからしばらく様子を見ていても、破滅招来体と
呼んでいたモノはパタッとやってこなくなったので、もとの生活にもどりました。と
いう意味ですね。(我夢が大学に戻るまでは1年くらいは間があるんじゃないでしょ
うか。じゃないと、世間のほとぼりがさめないでしょうから。マコト達がまだ大学に
いるのも、街が復興するまで大学も閉鎖してたんじゃないかなぁ。とかね。)でも、
今度いつ怪獣や敵が来ても、もう恐れるものは何もない。だって、地球に生きるもの
すべてが互いに作用しあって存在している。これこそが本当に地球の姿、力なのだか
ら。
そして、我夢の「お〜〜〜〜〜い」は、ある意味で、彼らの創造主である制作スタッ
フと物語を見守った私達に時空を超えて。そして、来るべく宇宙時代、その仲間達へ
の「お〜〜〜〜〜い」なんでしょうね。そして、カメラが地球からぐんぐん離れていっ
て‥いつか人類には、本当にこうやって遠ざかる地球を眺める時がやってくるのだろ
う‥ということ。そしてまたは、これで一度はチャンスを与え、もうしばらく人類を
見守る事にした「あるじ」の慈悲深き視点なのかもしれません。