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"KIOKU" The abandoned Memories
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こういう芝居をやっているよと教えられて、それは観ておかねばと青山円形劇場へ足を運んだのが、G-Up Presents 『棄憶』。
内容が、731部隊と帝銀事件をリンクさせたもので、私自身、近いモチーフの作品を構想中でもあり、楽しみ半分、怖さ半分(モロ被りしていたらという)で殆ど予備知識無く場内へ。
円形劇場の1/3を潰して中央にリングの様な無装飾の舞台。キャラメルボックスなどそれぞれ畑違いの俳優七人だけの、殆どノー・ギミックのストレート・プレイ。
いやぁ堪能しました。
基本設定はこちらなどを読んで戴くとして、個性も年代も異なる俳優同士の、強烈な緊迫感を持続するドラマ。休憩無し90分の、密室内のドラマとしては、リアルタイムかそうでないかの違いはあるものの、『十二人の怒れる男』に比肩し得るものでした。そして、こちらはもっと暗い人間の闇を覗かせます。
初演は数年前の様で、今回は俳優陣が入れ替わっているらしいですが、今まで存在を知らなかった自身の不明を恥じました。
731、帝銀に関しては私も相当に勉強をしており、これらに関心があって、予備知識がある人なら間違いなく私の様に、芝居を観ながら「うん、うん、そうだった」と頷いてしまうでしょう。
戯曲内で語られている事象は全て実際の出来事であり、戦後の日本ブラッドバンク〜旧ミドリ十字といった流れまでフォローしている人なら、もっと得心するに違いありません。
一種の不条理劇的な内容かと思う様な始まり方をしますが、これは非常に優れたミステリでもあります。
寧ろロジカル過ぎる嫌いすらあるのですが、この作品では決して瑕疵となってはいません。
(また、私が構想しているものとは違う結論となっているところで、大いに安堵もしました。)
帝銀事件を題材とした小説や映画は数多く、という程には無いのですが、故・熊井啓監督の『帝銀事件・死刑囚』がその嚆矢であり、そして残念ながら今尚これを凌ぐものは無いと思っていました。
この『棄憶』は間違いなく、 "帝銀物"として『死刑囚』と並ぶ作品でしょう。
熊井監督が存命なら、映画版『棄憶』を撮られたのではないか、という想像もしてしまいました。
社会的なテーマの作品は、その主題の重さと同時に、エンターテインメントの構造としても最高のものであると私は信じており、こうした作品が舞台に掛けられる事を心強く思いました。
あと今日明日で終わってしまいますが、問い合わせてみてください。
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