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荒牧伸志さんと私は、過去幾つかの作品で一緒に仕事をした仲でした。元々はメカニック・デザインを専門とされていましたが、近年はゲームなどにて3DCGの演出の腕も奮われています。
テイマーズ企画当初から、テイマーとデジモンが一つの肉体を得る――という展開を私は考えていたのですが、それを、ロボットに乗り込むのではない、しかしデジタルなイメージで描けるのか悩んでいました。
そこで荒牧伸志さんを貝澤監督と関プロデューサーに紹介して参加を願ったのでした。
左のボードは、日付を見て戴くとお判りの様に、かなり初期のプリプロ段階でのものです。基本的なイメージは、実際のテイマー・ボールに引き継がれています。
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“ゾーン”は、リアル・ワールドとデジタル・ワールドが重なったところ。荒牧さんに作って貰ったイメージ・ボードです。色は変わりましたが、四角いブロックが明滅する――というパターンはこのボードから生まれています。 |
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荒牧伸志さんに一番知恵を借りたかったのが、テイマーズに於けるデジタル・ワールドのヴィジュアル構築でした。
前作とは違う、テイマーズ独自のデジタル・ワールドをどう表現するか。私が物語として最初に想い描いたのは、実際のネットワークOSI参照モデルをベースに、地下へ下っていく(冥府巡り的)イメージでした。また色々なデジモンたちの世界(小世界)は、多層的に配置すべきとも思っていました。
2Dアニメーションに効果的な3Dマテリアルを、背景動画的に導入したらどうか、という案を出し、美術の渡辺佳人さん、東映アニメーション・デジタルコンテンツ部の方々と協議をして作り上げたのが、テイマーズのデジタル・ワールドでした。その最初のコンセプト・アートが、この、リアル・ワールドを球体として頭上に頂く荒野だったのです。このリアル・ワールドの見せ方は、紛れもなく荒牧伸志さんの発想によるものでした。
この明確な新しいデジタル・ワールドのヴィジュアルを受けて、私達ライターはストーリーを編んでいった訳です。 |
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荒牧さんは、究極体三体(デュークモン、セントガルゴモン、サクヤモン)の進化シーンのコンテ/演出を担当されました。
基本的な荒牧さんの仕事は、本来そこまでだったのですが、デジモン内のテイマーの表現(テイマー・ボール)や、地上に現れたデ・リーパー・ゾーンのイメージ、更には49話に登場するステルスのデザインまでも、担当して戴きました。 |
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