恐ろしい事に、ちゃんとしたデザイン画を書くこと無しに作業を始めてしまった。当初は、タミヤのギアボックス・キットを使ったモーター駆動にしようと考えたが、どうしてもトルクが足らず、ワイヤー手動操作に切り替えた。このメカの設計に最も難儀させられた。普段は原稿を書く為の部屋だが、徐々に道具類に浸食されつつある。
全身は必要無く、頭部と両腕だけ作れば出来る──というのも、安易に取り組んだ理由の一つだった。
腕の原型を作る前に、木製の間接・骨を先に作成し、寸法を量った。ラテックスは硬化すると若干縮小するので、やや大きめに原型を起こしてある。
ちなみにこの型のとりかたは石膏の無駄である。
やはり顔の造形が、最もクリエイティブな作業だろう。しかしこれは一日でやっつけてしまった。
細かいシワは、サランラップを粘土の上に載せてヘラで彫ると、リアルに仕上がる。
最後に、スポンジで全体を軽く叩き、生物感をだす。
顔の原型が完成したところ。
同時に、内側の歯も造形した。歯は普通、樹脂で仕上げるのだが、今回は楽する為に、顔と同様ラテックスで抜いた。塗装してアクリル樹脂を塗れば、まあ遠目には大丈夫なものである。